最近の車でオーバーヒートを起こして路上に止まっている車を見る事は、ほとんど有りません。車のエンジン性能の向上などによるものですが、それでもオーバーヒートをしてしまうケースも多少なりとも存在しています。
新車で購入したからオーバーヒートはしないと言うのは間違った認識でもあります。中には「オーバーヒートってなに?」と言う方もいるでしょうね。
ここではオーバーヒートの原因や対処法をご紹介していきます。
オーバーヒートしたらまずすることは?
オーバーヒート?と最初に感じる事は、メーター内にある水温計がいつもの場所に張りが無く、Hマークまでの所にあります。これは確実にオーバーヒート決定です。
また水温計が無いタイプの場合にはHマークが点灯する事になりますので、安全な場所に車を止めます。この時はエンジンを切らずに停車させてからラジエター液の漏れやファンが回っているかを確認します。
液漏れが有った場合にはすぐにエンジンをカットしましょう。いきなりボンネットを開けるとフード内に溜まった蒸気が一気に飛び出てくる可能性があるので、すぐには開けない方がいいです。
エンジンからの蒸気や白煙が止まった段階でボンネットを開けますが、オーバーヒートだからと言ってラジエターキャップを開けるのは危険です。ラジエターキャップも高温になっていますし、キャップを外したとたん蒸気が噴水のように飛び出します。
何もしないで救助を待つか、リザーバータンクに水を入れて様子を見る程度にしておきましょう。
車のオーバーヒートの原因とは?
オーバーヒートの原因で一番多いのが、ラジエターから液漏れしている場合でしょう。ですが、他にもいろいろな原因からオーバーヒートを起こす可能性があります。
- ウォーターポンプの作動不良・故障
- 冷却用電動ファンの作動不良・故障
- サーモスタッド・サーモメータの誤作動・故障
- エンジンオイルが全くない
など、循環系のトラブルでオーバーヒートにつながる事になるのです。
Hランプが点灯・点滅した時の対処法
Hランプが点灯・点滅した場合には、車の安全が確保できる所に車を停めます。Hランプが点灯したからと言って平気平気と言っていると、最終的にはエンジンが壊れてしまいますから、エンジンのオーバーホールや乗せ換えと言う事になります。そうは誰もがなりたくありませんから、まずは車を停める事です。
先ほども紹介したとおりいきなり、ボンネットを開けずに蒸気や白い煙が収まるのを待ってからの対処となります。リザーバータンクを見てCマークよりも少ない位置に液があれば、液漏れが決定になります。
この場合は、リザーバータンクに水を入れて、ディーラーなどに連絡をしましょう。なるべく近くのディーラーに入るのが一番です。
またHマークよりも冷却水が多い場合には、ガスケットが破損している可能性が高くなるので、保険会社のロードサービスを利用して提携工場に運んでもらうのが得策となります。
どっちにしても修理は必要と言う事になります。
オーバーヒートの進行に伴って発生する症状について
純正の水温計の場合には、オーバーヒートになると一気に前触れもなくHマークまで上り詰めます。
この時に車が思う速度が出ていない、アイドリングが安定しない等の症状が出てきます。またアクセルのノッキング現象を起こしたり、エンジンからキンキンと甲高い音がし始めます。
更に症状が悪化すると、アクセルを踏んでも速度上がらず、エンジンが停止します。この停止する前にはエンジン内部からコロンコロンと甲高い音がしている事になります。結果的に再起動できなくなります。
こうなるとラジエター修理やガスケット交換だけでは済まなくなる可能性が非常に高いです。
修理代と修理期間はどれくらい?
オーバーヒートしてしまった場合には「どこを修理するか」によっても金額が変わってきます。
ラジエターを新品交換とガスケット交換で有れば確実に10~15万円程度は掛かってしまいます。ラジエター交換と電動ファン交換のみの場合でも10万円~12万程度は見込んでおきましょう。
オーバーホールとなると数十万単位の金額にもなりますので、この場合には中古のエンジンを探してもらい乗せ換えた方が安く収まります。中古エンジンなら20万円以上から手に入るかもしれません。
オーバーヒートの修理期間は、正直長くなると思っていた方がいいです。パーツの取寄せ、交換・ラジエター液循環のテスト等を行う事から、最低でも1カ月は修理工場入りする事になります。
オーバーヒートの予防法や対策について
オーバーヒートになって高額な修理代を支払う事になるのは、ちょっと嫌ですよね。ですから日ごろからの点検が重要になってきます。
1.水温計
水温計をある程度気にしながら走行する。ほとんどの方は水温計を見ていないことが多いですから、知らない間に水温計が上がっていたなんて事もあります。結果的にエンジンにダメージを与える事にもなります。
2.リザーバータンク
車に乗る前にボンネットを開けて、リザーバータンクにラジエター液がどれだけ入っているかを確認します。極端に減っていたり、増えている場合にはトラブルを抱えている可能性が高いので、修理工場などに相談した方がいいでしょう。
3.ラジエターホース
ラジエターホースから液漏れしていないかを確認します。基本的にはラジエター本体やウォーターポンプから漏っている場合はどうすることもできませんから、即ロードサービスに連絡しましょう。
ラジエターホースから漏れている場合はテープなどで補修し液の残量を確認します。液を補充してから修理工場に運ぶなどすることがベストです。
4.エンジンオイル
オーバーヒートにエンジンオイル?と思いがちですが、エンジンオイルも車の冷却に携わっています。エンジンオイルが劣化していたり、残量がゲージよりも低い場合にはオーバーヒートになる可能性を秘めている事になります。
基本的にはエンジンオイルは小まめに交換するのがエンジン寿命を長くするのには有効策ですから確実に行いましょう。
まとめ
オーバーヒートは経験した人しかわからない物です。確実に最初の数分はパニックに陥ってしまいますが、まずは冷静になる事が大事です。車の状況確認をして、どんな状況かを把握する事が大事です。
山奥でない限りはロードサービスも確実に来る事が出来ますから、焦らず心を落ち着けましょう。後は修理可能か廃車なのかを修理工場と話し合うしかありませんからね。