車のエンジンをかけてすぐ出発する方とエンジンを一定時間 暖機運転してから出発する方に分かれると思います。皆さんはどちらのタイプになりますか?
最近ではエコや燃費に影響する為に「暖機運転は必要が無い」と言う方も大勢いるようですが、それは本当に正しいのでしょうか?
暖気運転の意味や必要性とは?
車を始動させる時に、水温計が上がるまで暖機運転をしているや全く暖機運転をしないで走り始める方もいます。では暖機運転とはいったいどんな意味があるのでしょう。
古い車の場合には燃料を噴霧がうまくいかないケースが多かった為に暖機運転をしています。新しい車では、電気制御で燃料を噴霧するので、出だしがスムーズになっているので、暖機運転をする必要が少ないと言われています。
但し、車のピストンシリンダー部は熱で膨張する事で隙間が埋まる設計になっているので、暖機が不十分な状態でエンジンを高回転で回すと圧縮漏れを起こしやすい状態になってエンジン不調の原因を作りだします。
エンジンが冷えている状態でも走りだしは可能ですが、アクセルをじんわり踏んで行き、走行しながら暖機運転をすることが、現代の新車に求められている暖機の必要性になります。
暖機運転のメリット&デメリット
暖機運転をするにはやはりメリットが無ければ誰も行いませんよね。
また当然ながらメリットがあればデメリットが存在するのが世の常です。
暖機運転のメリット
◆エンジンの傷みを防ぐ効果
エンジンオイルはエンジンを動かしている状態でなければ、エンジン内を循環しません。
エンジン始動時に急激にエンジン回すとオイルが回りきっていないために、エンジンを痛めることになってしまいます。
暖機運転でオイルをエンジン内部に循環させる目的になります。
◆エンジン内部の消耗を防ぐ効果
車のエンジンの内部パーツは適正な温度に達した時から本来の性能を発揮するようにできています。
走行前にエンジンを暖気する事でオイルの消費や燃費にも影響が少なからず出てくることになります。
暖機運転のデメリット
◆駆動系に悪影響を与える可能性
暖機運転をする事で、エンジンは良好状態にする事が出来ます。
しかし、駆動系は走る事でオイルが柔らかくなるために、エンジンが温まっているからと言って、一気に高回転で運転し始めると駆動系を痛める可能性があります。
◆暖機をする事で燃費が悪化する
暖機運転をするエンジンは良好ですが、駆動系の温まりは不十分です。駆動系に使われているオイルが温まっていないために、走行する時に大きな抵抗になります。
その為、駆動系の動きが悪い為にアクセルを更に踏み込んでしまうと言った状態になるので、燃費が悪くなると考えられます。
暖機運転することで燃費は変わるのか?
これは、ガソリンの特性にも関係してきます。寒い時期にはガソリンは気化しにくい状態になっています。エンジンが温まっていない状態で走行する事は、ガソリンの燃焼効率が非常に悪い状態になっています。
燃焼効率が悪ければ、車のコンピューターはガソリンの噴霧量を増やします。そうなると当然燃費が悪くなると言う事になります。
但し、先ほども紹介しましたが、駆動系のオイルが冷えている状態では抵抗値が大きくなるので、暖機したからと言っても駆動系の影響で燃費が悪くなってしまいます。
燃費を良くするには、暖機した後で、いきなり駆動系に激しい事はさせないでゆっくり走りオイルが柔らかくなってから高回転でエンジンを回して走るのが理想的でしょう。
暖機運転の正しいやりかた
「暖機運転」というとアイドリングを正常な位置に安定させること。と思っている方も多いのですが、正しい暖機運転のやり方はこちら!
- エンジンの回転数が落ち着くまで 10~30秒程度走行しながら、暖機をする。(駆動系に負荷をかけないように心がけて、必要以上にアクセルを踏み込まない)
- 水温計が適温に達したら暖機完了
時間は何分ぐらいがいい?
暖機運転にはどのくらいの時間が必要なのか?先ほど紹介したのはエンジンの回転数が落ち着くまで 10~30秒程度しました。この時間でも最近のエンジンは問題はありません。
エンジン内部にオイルを循環させる為には、2~3分くらいは必要とも言われています。オイルの性能によっても時間は変化していきます。
柔らかいオイルならすぐに暖機終了になりますが、固いオイルを使用している場合には少しエンジンをアイドリングさせてからの方がいいでしょう。
寒い冬の時期は暖機運転をして室内を暖めてから…と思いがちですが、暖機運転を長時間行う事はやはり、エンジンにとってはかなりの負荷がかかっていることになります。
冬で長くて数分、夏ではアイドリングが落ち着く1分以内でゆっくり走りだす事が重要です。
暖機運転には賛否両論ありますから、車の状態によっても暖機運転の時間は変わります。その辺りを見極めながら行う事がいいでしょう。この見極めが難しいのですけどね。